合っていたのは「こっち側」だった
～大企業・ベンチャーを経て気付いた私らしい働き方～
村田 磨理子（むらたまりこ）さん
東京都在住。株式会社リクルートスタッフィングにて営業、企画、募集グループを経験。IT人材を担当する部署だったことからエンジニアとの接点が多く、エンジニアの仕事に取り組む姿勢や勉強を続ける意欲に感銘を受ける。転職し株式会社ギブリーにてカスタマーサクセス部門を担当。自分自身の結婚式の時、エンジニアである夫とともにWeb招待状システムを構築、その後独立し株式会社化。ブライダル関連システムやDXコンサルティングなども手掛ける。
誰かの役に立っていない仕事なんて存在しない
村田さんは、参加した就職説明会のある講演で衝撃を受けたそうです。それが就職活動の基準となり、内定を経て新卒での仕事が始まりました。
就職活動をするにあたって、生き生きと働きたいという思いはあったものの、どんな仕事があって自分には何が合っているのか、あまり知識がありませんでした。「人の役に立つ」をキーワードに、コンサルティング業なのかなと漠然と目星をつけて、まずはコンサルティング会社の就職説明会に参加しました。そこである会社の社長が「無料配布クーポン誌も、集客をしているという観点ではコンサルティングです」と仰ったのがすごく頭に残りました。
それまでは日常生活でB to Cの企業を見る機会が多く、B to Bの企業はあまり知りませんでした。でも無料配布クーポン誌の集客がコンサルティングと言えるなら、世の中って大体どんな事業もB to B to Cと言えるし、誰かの役に立っていない仕事なんて存在しないですよね。世の中のどんな仕事も、言ってしまえばコンサルティングなんだ、という考え方に衝撃を受けまして。話に取り上げられていたサービスの運営会社であるリクルート系企業の説明会やインターンに積極的に参加するようになりました。そうした中でリクルートスタッフィング社と出会い、若い方々がすごく生き生きと働いている様子に惹かれ、内定をいただき入社を決めました。
リクルートスタッフィングに入社して最初の仕事は、IT人材の派遣事業の営業です。業界全体の傾向としてIT人材の派遣登録者数が少ないので、求人の案件がたくさん来ても、マッチングできる方がいない状態でした。別の業界を担当する部署では派遣登録者数が多くて求人が少なく、担当は求人を探すためにビルのテナント全部に飛び込み営業していたような時代だったのですが、私の部署では逆でしたね。
仕事内容としては、この技術を持っている登録者のAさん、あのスキルを求めているB社求人など、完全にはかみ合わないものをどうやってマッチングさせるかを考えていくんです。なので営業では「御社の求人とは違いますが、こういう方なら今いらっしゃるので、ご検討されてみませんか」と提案したりします。そのためITの知識もたくさん勉強していました。お客様がどこのレイヤー（技術的な階層）の話をされているのか分からないと、マッチするご紹介もできないですから。違うレイヤーの話をしていると思っても、あっちとこっちでつながっていたりもするので、しっかりと理解していないといけません。他の部署とは全然違う仕事をしている心地でした。
一年半ほどすると、新規事業の企画部署に異動となりました。企画への異動希望が叶った形になります。2015年9月に派遣法が改正されたこともあり、各社が新たな取り組みを始めた時期だったのですが、配属されたのは無期雇用の派遣社員の方を採用するための部署でした。会社として初めての取り組みで、部署としてやるべきことはもう定められていたので、その枠に沿って中身をどう整えていくか、ということを企画していきます。新規事業であり、採用企画であり、実際に採用もして、といった仕事内容でしたね。
しばらくしてまた異動になり、派遣の新規登録者を増やすための募集グループに勤務することになりました。最初のITエンジニアの部署と、その後異動した無期雇用の部署を担当となり、それぞれの事業部から月間で予算を持たせていただき、それを使って派遣登録の募集を行います。その結果としての今月の登録者数を成果として報告する部署でした。前の2つの部署と比べて、黙々と作業をする方が多かった印象です。
リクルートスタッフィングには合計で3年勤務し、転職を決意しました。3年間仕事をしてみて、いつか転職しようという気持ちがだんだん大きくなっていきました。みなさんいい方ばかりでとても仲良くしていただき、営業会社ならではの部署全体で目標を達成できた時の一体感や高揚感はとてもよい経験だったと思います。平日の夜は仕事が終わったらほぼ毎日飲みに行ったり、土日も一緒に遊びに行ったり、プライベートも共にするほど会社の方々が好きだったのですが、自身の取り組む業務に関しては、正直ずっと違和感がありました。
