大切なのは、バランスを保ち、それぞれがいい影響を与え合うこと

人よりもたくさん苦労したけれど、その全てが自分の糧になった、と話す金田さん。それぞれの時代を振り返り、「自分の存在価値」への答えを教えてくださいました。

ターニングポイントというより、時代、フェーズと捉えた方がより僕の感覚に近いかもしれません。まず、SAPの新人時代、そして30歳で部長、本部長に昇進したマネジメント時代。続いてSAPとは180度違う土壌のミスミの時代と、グローバル視点での経営という経験を培ったLivePerson時代。そして次はZscalerでアジア全体へと続いていきます。キャリアとは別に、書籍の出版も大きなターニングポイントでした。誰かの役に立てばいいなと始めたブログではありますが、それが本になるなんて全然考えてもいなかったので、オファーをいただいたときは本当にびっくりしました。共通するのは、それぞれの時代で新しい筋肉を鍛え上げ、今までの経験を新しい職場で発揮していく、というスタイルだと思います。

僕にとっての仕事であり志事は「価値を作ること」です。価値を作るとは、「それまで存在しなかった、誰も考えなかった新しい何かを作る」と定義しています。新しいことは商品やサービスだけじゃなく、新しい部署の立ち上げや組織改革でもいいわけです。そうして新しいことに挑み続け、価値を作り続けることが、仕事をすることなんだと思っています。そうした仕事には世の中に向けた志があるのだと感じています

そうして自分の存在価値をしっかりと作って世の中に還元していこう、というのが、29歳からずっと変わることのない僕の志です。下関出身だからか、明治維新のように志を持って新しいものを作り続けるぞ、という想いが強いんでしょうか。吉田松陰の松下村塾が明治維新の主要人材を多く輩出したように、未来の新しい価値を作る、グローバルでより活躍できる人材をたくさん育てていけたらいいなと思います。

ここに至った全ての「原点」は僕の幼少期にあります。そして、何よりも僕が大切にしているのは、その僕を育ててくれた家族への感謝です。弱々しかった僕を見てきた家族からすると、僕がどんどんと新しいことにチャレンジする姿を見ていつもハラハラしているようです。実際、よく母親から「とにかく体に気をつけて」と手紙がきます。

僕の今に至る「原動力」は両親への感謝なんです。僕の存在意義は突き詰めると両親の存在意義でもあります。僕は自分を産んでくれ、育ててくれた両親への心からの感謝として下関の小さな村から社会へ貢献していきたいのです。それが金田家に僕が残していけることです。苦労して僕を育ててくれた家族に感謝しつづけ、引き続き親孝行していきたいなと思います。

それは僕の妻、そして妻の両親に対しても同じです。だから年に一回、両家両親を連れて海外の小さな島国に旅行しています。海を見ながらみんなでシュノーケリングをしたり、バーベキューをしたり、星を見ながらお酒を飲んだりする度に、原点に立ち戻って感謝と幸せを噛み締めています。

今後は「日本企業の内情が分かる、外資系スタートアップを爆発的に拡大させる経営者」としてキャリアを重ねていくつもりです。アーリーリタイアは考えていません。ただ定年近くになっていくにつれて仕事の比重は少しずつ減らして行って、もう一つのサイクル、僕の経験を通して後進を教育していく活動により力を入れていくだろうなと考えています。

こんな風に言うと、僕は仕事と勉強会ばかりで、常にそのことばかり考えていると思われがちですが、プライベートの時間もとても大切にしています。平日は社内外のアポイントが多数あり、パズルゲームのように隙間なく組み立てられています。それら一つ一つに細心の注意を払いマネジメントしていく重圧やプレッシャー、責任を感じ続けていると、うまく発散していかないと、心身共に持ちません。なので、平日の夜や土日の使い方をとても意識するようになりました。疲れてはいるのですが、休むよりも発散したくなるんですね。それこそ発狂しそうな状態になっている時もあります。そんな時にジムで体を鍛えることに集中したり、歌が好きなのでボイストレーニングやカラオケに行ったり、ゴルフや気心の知れた友人とお酒を飲んだりします。

仕事でステージが上がると、結果として収入も増えるので、ストレス発散の時間をより濃厚にしようと趣味への投資も惜しまなくなりました。限られた時間の中で、ひとつひとつをすっごい楽しもう、ということをとても大切にしています。仕事、教育、そしてプライベート、これらのバランスをうまく取り続けるのが僕のスタンスです。 自己投資の結果、毎週末のようにドライブして温泉に行って秘境に相当詳しくなりました。ボイトレが発展して自分でバンド活動をしてライブもしてきました。仕事に一生懸命な分、遊びにも「一笑懸命」になってこれからどれだけ歳を重ねても人生全体を楽しめるいい感じのオッサンになりたいです。そして、これからも自分の周囲の人たちを大切に、大切にしていきたいと考えています。だって、それが自分の存在価値ですから。

日本市場を飛び出したアジア全域、ひいては世界市場全てを見据え、未来を描いていく金田さんの目線は、まさに維新志士そのもの。一方で「自分の存在価値をずっと考えていた」「苦労してきたことを還元して、その人の成長を助けたい」と繰り返し言葉にされていました。子どもの頃の辛い体験も赤裸々に語ってくださったからこそ、これらの言葉の重みを感じることが出来たと同時に、言葉にはされない金田さんの大きな優しさを垣間見たような気持ちになった筆者なのでした。
(文章:吉田けい)


金田さんに聞いた
10年後、20年後のセルフイメージ

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