仕事スタイルの確立はコンビニ店長で

オーナーへのアドバイスでお店作りの役に立てるところに魅力を感じて入職したコンビニエンスストア業界。店長時代に大切な「仕事のスタイル」を見つけます。

私の仕事のスタイルというのはコンビニ時代に作られていると思っています。
当時、入社して3か月目のタイミングで店長をやるのが一般的でした。発注方法もまだ習いきれてない状態で、短時間の引継ぎだけでアルバイトを管理して店を回して・・・実際大変でした。
24時間体制なので、スタッフとのやり取りはオペレーションノートというもので行っていました。
例えば提出物の期限といった連絡事項を書きます。最初はやさしい口調で書いていたのですが、全然出てこない。そうするとだんだん言葉がきつくなっていく。(笑)
ある時、締め切りが迫っていたので、直接会えたスタッフに「出せって言ってるよね」って言ったら、「大橋さん、アルバイトの気持ち考えたことあります?」って言われて。実はそこで『総すかん』を食らっていたんですね。
自分は、人は「指示」で動くと思っていたのです。それからやり方を変えて、スタッフがどうしたら動いてくれるだろうと考えるようになりました。

こちらが態度を改めていくと、周りが全然違ってくるのです。
面談をこまめにしてスタッフが何に興味を持っているのか知って、本人も学んだり、ためになるような取り組みができないかと考えました。
例えば、新人スタッフが「アイスクリームが好き」と言ったら、アイスの発注数を考えてもらう。そのうちエリアの人気商品や他店の品揃えデータの見方を教えて、その売り場を任せてみる。それで売り上げが上がると、売り場をすごくかわいがるようになってくれるのです。時給の3倍4倍の働き方をしてくれるようになります。それが「人の成長」が面白い、と思った原体験だったと思います。

これは店舗レベルの規模だとやりやすいのですが、規模が大きくなれば難しさも増します。でもトップを巻き込んで進めていければ、基本は一緒だと思います。
現場の人は仕事場に対する愛着もあって、「こうしたらもっといいと思う」も持っている。現場の声を本当に聞いて本気で拾ったら、仕事場も働く人もお客様にも良くなります。
現場がやる気になって「こうしたらいいと思う」と積極的になることと、上が理解して裁量を認めて見守ることの両輪があるといい組織になると思います。

 

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