追いつめられて自分の価値観を見直す

再就職支援で様々な年代、性別の方のカウンセリングをする中でまた、「次」の段階を見つけます。研修の仕事を始めたころはご苦労もありましたが、大切なものを再確認します。

働き始めてからのターニングポイントとしてはコンビニでの経験があって、もう一つは出向を終えて、東京に出てきたタイミングでの経験がありました。

再就職支援をやっていた時に、対象の方には20代から定年が近い人まで様々な世代の人がいました。20代の方はすぐに次が決まっていきます。定年近くの方は、それはそれで、そんなにこだわらないので決まっていくのです。でも40代前後の方はなかなか決まらない。家族もいて、金額的にも妥協できない。今いる業界に未来が見えないから転職を希望していても、結局経験を活かせる同業界や関連の仕事を紹介せざるを得ない、というケースもありました。
例えば、その人の可能性が広げられる教育のようなシステムがあれば、と思って研修や教育の部門を希望したのです。

当時既存のコンテンツは新入社員向けやグローバル対策などが主で、自分がやりたいこととは少し違っていました。そこで、いままでなかったようなコンテンツを自分から提案して始めることになります。コンテンツとしては働き方改革や女性活躍、などです。世間で広く言われだす前から少しずつそういった研修に取り組んでいました。

新しいことを始めることになるので、企画立案も難渋しましたし、社内で通すのもそれなりに大変でした。その頃、研修部門に行った1年から1年半はすごく苦労しました。
その時期は社会人になって初めて「会社に行きたくないな」と思うくらい、非常に落ち込んでいた状態でした。仕事もうまくいかないし、単身赴任、住宅などの金銭的な負担も多くなっていた時期で八方塞がりだったと思います。

そういう非常に落ちた状態で救いになったのが娘の存在でした。
娘が当時3歳くらいでした。娘のために頑張りたい、というのがあって、社外のビジネス塾に通ったりもしました。追い込まれた状態で、本当に何を大切にしたいのか、自分の価値観を考えたのだと思います。

 

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