人との出会いは自分との出会い
カウンセリングや講師を行う個人事業主として、NPOの代表理事として、会社員として、いろいろな働き方を同時に進行されてきた辰さん。お仕事柄、働く人の問題や気持ちにもたくさん触れておいでです。辰さんの「働く」とは?をお聞きしました。
一か所でずっと勤めている方がストレスがないかと言えばそうでもなくて、その分人間関係が濃くなりますからね。面倒なこともいっぱいあると思います。
私が仕事をいくつかに分けてやろうと決めたのは、たくさんの人と会いたい、社会とつながっていたいなと思ったんですよね。個人事業主っていうと視野が狭くなるので、いろんな人といろんな場所でお話ができたらいいなと。
お話する相手の方の職業とか、同じ会社でも働いている部署が違えば、働いている人の悩みってそれぞれ違うものです。そういうことに触れていくのも修行みたいな感じがしています。あちこちの仕事場があったけれど、どれも学校に行っているような感じでした。ちゃんと、「ほんとにいろんな人がいる」と実感する経験が溜まっていったように思います。
会社だけでなく、講師や講演、キャリアコンサルタントの指導など、たくさんお仕事をやっていた時も、そのどこもよかった。いい人たちがいっぱいいて、嫌な人たちはいなかった。
やりたくない、辞めようと思った仕事はもちろんあって、それは自分が思っていることと違うことを、例えば指導したり教えたりしなければならなかったりする、そういう時です。私は今が大事だと思っているのに、何年後のプランを生徒さんや相談者の方に作らせていると無理があるなって自分で思うんですね。無理がある仕事はやっぱり楽しくできない。
自分の感情がどうしても強く出てきてしまう相談内容もある。そういうのは自分じゃなくて他の人がやったほうがいいな、と判断することもあります。
でもどこも一緒に働く人やそこに居た人たちは、よくしてくれました。「今日は行きたくない」という日はなかったなぁ。
私にとって「働く」は自分に出会えること。
仕事をすると、自分がわかりますよね。いろんな自分がわかる。最初、働くってことは人と出会えることかな、と思ったのですが、じゃあなんで人に出会いたいんだろう?と思ったら、自分を知るためだ、と。頑張る自分に出会えたり、怠ける自分に出会えたり。自分を知ることって大事なことです。たくさんの新しい自分に出会うことは、とても大事なこと。
よく心理学や他の分野でも言われるのですが、人にはそれぞれタイプがあって、目的をもって走れる人と、目的無く生きる人といる、と。
今の世の中は目的をもって生きるのが正しいみたいな傾向があるのだけど、必ずしもそうではない。それは、企業で成果主義が主流になって見える成果を求めるようになった流れだと思う。
プランド・ハップンスタンスセオリーという理論に象徴されると思うのですが、一期一会で生きる人の方が多い。やりながら、今を重ねて今を生きて、新しい自分に出会いながら今になっていく人たちの方が世の中には多いのです。
キャリアコンサルタントとしては目的を持つことを促す場合もあるのですが、ある目的のために階段を上っていくのではなくて、偶然や出会いで人生を重ねていく人たちの方が多いんですよ。私自身、目的をもってやるのが好きだと思っていましたが、55歳になった今を見れば、出会いによって働き方はその時その時で変わってきたような気がするんですね。
だから、もし若い人に働く人の先輩として言うなら『恐れずたくさん出会いなさい』ということかな、と思います。
『傾聴』というライフワークや会社での相談業務の中でも、ご自分と向き合い、いつでも時給から働き方まで、自分で決めて進んでこられた辰さん。辰さんの発信や講座で、その生き方や在り方に共感し、また自分に出会いなおす人がたくさんいます。
「どこに行ってもいい人ばかりだった」とおっしゃる辰さんの中に流れているのは深く広い『愛』で、新しいターニングポイントを迎えられた今、その『愛』がどんどん拡がって、必要な人に届くといくといい、と心から願います。
辰さんに聞いた 10年後、20年後のセルフイメージ
辰さんの活動の詳細は以下よりご覧いただけます。
傾聴カウンセラー協会
https://nanokeicyo.jimdo.com/
NPO法人スマイルアップ
https://www.smile-up.info/
辰さんのブログ『〓★ナノパワー★〓』
https://ameblo.jp/ganba345/