やりたいことを言うよりも、居させてもらえる関係性を作る

いろいろな大人の姿を見られる場所でもある『だんだん・ばぁ』。いろんな考えの大人がいるからこそ、何かを始めようと思う時、周りの理解を得るのは大変な苦労があるのではないかと想像します。そして、長く続けていくために、どのように周りとの関係を築かれていらっしゃるのでしょうか。

病院でも長く続けていることのメリットと言えば、ずっと居ることだけなんですよね。「あの時」の思いの共有もできるし、記憶もある。それが誰かの役に立つことがあると、長く居るって大事だなって思います。
長く居るというか、「長く居させてもらえる」ってことだと思いますね。それは仕事でも地域でも同じだと思う。居てもいいよって思ってもらえること、居させてもらえているってことだと思うんです。

『だんだん・ばぁ』の場所をお借りするときも、言いたいことを言うというよりもまず相手の思いを聞きたいと思いました。
それは職業上身についていることだと思うのですが、「何が不安ですか?」ということをまず聞いてしまう。どんなにいい情報を持っていてもこの人からは聞きたくないという人からは聞かないじゃないですか。だからこの人の話を聞いてみたい、と思われるような関係性を作るにはどうしたらいいかな、ということを考えていると思います。

『だんだん・ばぁ』の活動で初めて個人で話を聞いてもらおうとしたときに、今までは病院にいる私の話だから聞いてくれていたんだなって、打ちのめされたんですよね。
わかってもらうことって難しい。時間もかかる。言葉でどういっても受け取り方やそれをどう自分の中に落とし込むかは相手次第ですから。私や『だんだん・ばぁ』に違和感じゃなくて、親しみや応援する気持ちを持ってもらえることが大事かもしれないと思っています。

逆に、子どもたちは私が誰でも全然気にしていない。普通のおばちゃんとして扱ってもらっているし、それがうれしいです。あえて指輪もしないから、結婚もせずかわいそうなおばちゃんだと思われていて、若いスタッフと「付き合ってるの?」なんて聞いてきたり、子どもたちの発想ってすごく面白いですよ。

 

 

 

 

 

 

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