もしかして、「働く」って楽しいの?

アメリカ留学の経験は感慨深いものとなりました。帰国後、安達さんは改めて仕事、働くことと向かい合い、一歩ずつ進み始めます。

心機一転、帰国して仕事を探すにあたって、「働く」ことについてたくさん考えました。

Y社では、自分らしさを出す以前に、今思えば社会人としての責任や在り方をはき違えていたし、頼りない自分への苛立ちも解消できないまま過ごしていました。働く、ということにすごくネガティブな自分でした。

でも視野が広がって周りを見回してみると、楽しそうに働いている人って結構いるんだな、と気が付きました。あの人たちどうしてあんなに笑顔で楽しそうなんだろう、仕事って辛いものじゃなかったのかなと……もしかして、働くって本当は楽しいのかも? そんなことをうっすら考えながら求人を探しているうちに、レジャー施設を運営するT社の募集を見つけました。

Tパークは私も何度も行ったことがあって、思い出してみると、確かにスタッフの人たちはみんな笑っていました。それも営業スマイルとも違う、心から仕事を楽しんでる笑顔だったな、と。そう思い当たると、T社の求人がどんどん魅力的に思えてきました。

「T社で働いたら私でも仕事が楽しくなるんだろうか」という疑問から、「私もそんな風に働けたらいいな」という希望に変わって、割とすぐ応募を決意しました。この時のT社の求人、社員ではなくアルバイト募集だったんですよね。Y社を退社した頃は、正社員に結構こだわっていたんですけど。留学を終えたら、正社員かどうかは、今はそんなにこだわらなくてもいいのかな、と気が楽になりました。楽しく働く、私らしく働くことが大切なんだなと思えたから応募できたんだと思います。

入社してからは毎日がとても楽しくなりました、今でも変わらず楽しいですね! 覚えることもたくさんありますが、同僚もみんないい人たちで、お客様と接するのも楽しいです。ただ入社した当初から、同じエリアで同じことをして働くだけではなく、違うことにどんどん挑戦したいし、自分に出来ることは何でもやってみたかった。その点T社にはとてもたくさんのキャリア育成コースがあって、自分で好きなプログラムを選ぶことができました。語学関連もそうですし、私が選んだインストラクター育成プログラムもそのうちの一つでした。

最初に選んだプログラムは、社内研修を行うインストラクターの養成でした。私も受講したことがあり、インストラクターの方の説明がとても分かりやすくて感動したのを覚えていたんです。言葉や行動に意味を与えると言えばいいんでしょうか、教えていただくことで、そこから私達も大切なことを学んで実践できるようになって。教えるってすごい! と思いました。

 

二つ目は、お客様向けのインストラクターです。このプログラムもとても楽しくやりがいがありました! お客様と対話をするように進めていくプログラムで、以前とは違う壁にぶつかることもありましたが、回数を重ねるたび改善に向けて取り組めるその環境が、非常にありがたかったです。限られた時間の中でやるので、いい答えが引き出せなかった時は自分の質問の仕方が悪いんだなと気付くこともできました。

それに、これらの業務は、大切な同期の仲間から学ぶものも非常に多くありました。同じプログラムでも、言葉の選び方や雰囲気づくりなど、全然違うんだなとたくさん勉強させていただきました。こういったインストラクターのプログラムを受講できるのが、とても恵まれていてありがたいことだなと思います。

インストラクター期間は現場から離れる期間も多く、多忙な現場の仲間には申し訳ないと常に感じていました。幸い私は快く送り出していただいてばかりで、そちらも本当にありがたかったです。「ゆいちゃんのためになるよ!」と後押ししてくれた先輩と同僚には感謝しかありません。制度としてプログラムがあることと、周囲に恵まれた二つのありがたさがあると感じます。そうして学ぶことができたインストラクターの仕事は大好きで、自分に合っていると思います。

 

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