転職活動中に考えた、どうして働くのか、どう働くのか

産後半年の苦しみがあって、自分の活動と出会っていたからこその、復職後の違和感、そして転職。「それがなかったらこんなもんかな、と思って会社にいたと思う」とおっしゃるたなかさん。それは、その苦しい時期が「自分と向き合う時間」でもあったからでした。

転職活動を始めてからも、そうスムーズにいくわけもなくて。最初はWebディレクターとしての転職先を探していました。
「ママが働きやすいです」とか「ママ大歓迎」という求人広告が出ているところを中心にみていたのだけど、そういうところってやはり、ママ社員をたくさん抱えたいんだろうな、と感じる会社も少なからずあって。バリバリ正社員めざしてやりたいような、本気のディレクターは時間制限のあるママにはなかなかマッチしないのだろうな、ということを転職活動をする中で感じてきていたんですよね。

うちに帰って面接でこんなふうだったよ、というようなことをよく夫に話していました。その時に夫から「素朴な疑問なんだけど、なんで働きたいの?」と言われて。いい質問するねー、と思ったんです。
ああ、そうだ、なんで働きたいんだろうな、と考えてみると、やっぱり「楽しく」働きたい。その「楽しい」は、「辛い」もあってその「辛い」を乗り越えた楽しさを自分は今までの仕事の中でたくさん経験してきた。それを最近は味わえていない。

そして、やっぱり、その「楽しい」を仕事で実現している姿を子どもに見せたい。
お母さん、なんで働いているの?と聞かれたら、お母さんも一人の人としてこういう想いをもって働きながら生きているんだよ、とちゃんと答えたいし、「だから君も自分の人生を自分で納得して決めるんだよ」とちゃんと言えるような人で居たいです。

夫自身は、葛藤しながらもひとつのところに長く勤めていて、性格的にはすごく建設的でポジティブで、私とは真逆な人なんですけど、そうやって絶妙なタイミングで「なんで仕事しているの?」とか「そんなに嫌なのになんでやっているの?」とか、本当に素朴に本質的な問いかけをしてくれるところがあります。会うべき人に会ったのかなぁと思いますね。

転職活動時はもう、らふprojectも始動して、世田谷ワーキングマザーの会での活動にも参加していて、実際にいろんな働き方をしている人を目の当たりにしていたこともあって、地域のことを仕事にするのもいいかもしれない、と考え方も広がっていました。
自分自身も会社員であることが当たり前と思っていたし、現実的には社会保障もあって、いつも一定量のお給料は入って、管理もしてもらえて、いいことばかり!という風に思うところは、今もあります。
今は団体職員ですが、多少は自由が効く。自由が効く分は自分自身でコントロールをしなくちゃいけないし、これからの仕事のことも自分の責任で考えなければいけない。

でもこれから10年後、20年後、先を考えた時にどんな働き方をしたいのかな、とよくよく考えて、とりあえず今年は、いろんな組織にちょっとずつ属する、というのをやってみたい。そういうほうが私にはしっくりくる気がしているんです。
営業マンの夫には「手ぶらで営業いくみたいで怖くないの?」って言われるんですけれど・・・(笑)。
何できるの?って聞かれたら「何ですかね??とりあえず人は好きです!」みたいな。(笑)そんな働き方があってもいいんじゃないかな、と今は思っています。

 

次のページ

 

1 2

3

4