若い価値観がつなぐ未来
~ゆるい深いつながりで豊かさを満たす~

 

小川 カノン さん

団体職員
暮らしのラボ 代表
えんがわ家 女将

音楽大学で音楽療法について学びながら、学生時代から高齢者福祉を志し、こどもの居場所づくりなどの活動に参加。卒業後は保育園とデイサービス、地域の寄り合い所を兼ね備えた施設を持つNPO法人にて保育士として従事。本職とは別で「暮らしのラボ」を立ち上げ、人々を幸せにする“つながる暮らし”を追求する、をテーマに活動を開始。2019年5月より三鷹市新川にある元空き家にて『えんがわ家』を開始し、現在女将として暮らしながらオープンに向けて準備中。

 

 

 


志を着実に前に進めて形に

シェアハウスと地域に開いたコミュニティスペースを兼ね備えた『えんがわ家』の女将として、そこに実際に住まいながら本格的な運営の準備をしている小川さん。同時に今はNPO法人で保育士としても勤務されています。

今は認知症のデイサービスと保育園と地域の寄り合い所、3つの事業をひとつ屋根の下で運営しているNPO法人で働いています。保育士で配属なのですが、子どもを見ているだけじゃなく、その空間をどう作っていったら高齢者と子どもが居心地よく過ごせるか、外から来た人がその中にどう交わえるかを考えながら仕事をしています。
それぞれ配属している人は保育士だったり介護福祉士だったりですが、どっちがどっちというのはほぼなくて。認知症のケアも子どもの対応も、スタッフみな代表から少しずつ教わったりその場でやり取りしながら働いています。

その施設は学生の時にたびたび遊びに行っていた場所で、今では大好きな職場ですが当時はここで働くとは思っていませんでした。でも、その場所が暮らしのラボを始める大きなきっかけになったのも確かです。
この光景っていいなぁと思うのですが、この雰囲気が日本中にあるかというとそうではないし、日本中に作れるかと考えてもそうでもない。じゃあどうしようと思っていたところで、この概念を継承しながらも、汎用的な仕組みにできないか、と。

その場所のいいなと思う要素を書き出して、今すぐできることは何か?時間がかかりそうなことは何か?今はないけどあったらいいことは何か?と考えました。
まずは物件を借りてきてそこに人が出入りすることならできそうだな、と思いました。そして今職場にないこととしては「住まい」の機能。ここには代表が住んでいるけれど、人が行き交う、住みあうという機能はない。そこにシェアハウスを加えたらどうだろうと。
保育園とか認知症のケアとかも要素としては加えたいけれど、それは時間がかかりそうなことだな、など、模索していって、できるところから始めてみようと考えました。それで、名前があったほうがいいかな、ということで『暮らしのラボ』という名前にしました。

最初は自分のTwitterとかFacebookなどで情報発信をしたり、学生の時に活動を一緒にした仲間や周りの人たちに聞いてもらったりして共感してくれる人を集めました。
近いうちに暮らしのラボは法人化して、暮らしのラボが『えんがわ家』を運営してく計画です。そして『えんがわ家』をモデルにしてケース展開していこうと思っています。今は女将としてシェアハウスに暮らしながら、事業展開の方法を考えています。

 

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