みんなのキラキラをつなげてつながる未来
~呼吸することにように毎日にある仕事~
堀毛成美 さん
おへそカフェオーナー
こなめの会代表
病院での看護助手、エステティシャン、カメラマン、等様々な職種を経て、お母さんたちのチカラになりたいという思いから地元世田谷区烏山『こなめの会』を立ち上げる。
カラスヤマ手作り市を主宰したり、作家の手づくり品が並ぶ箱店とカフェを併設したお店でお母さん仲間とカフェを運営をする傍ら、ヨガ講師としても活躍。
2017年12月に『おへそカフェ』をオープン。『おへそカフェ』の「おへそ」は、サンスクリット語のヨガの「つながる」という意味から。お店2階でのカフェのメニューに加え、ワークショップやヨガクラスなども行う「つながる場所」を提供し続けている。
中学生と小学生のお子さんをお持ちのお母さん。
自分は何がしたいのか、苦難の中でつかんだこと
やさしい眼差しと穏やかな話し方、少女のようなふんわりとした様子の堀毛さんですが、たくさんの苦悩と苦難の日々もありました。『おへそカフェ』がただのかわいらしいおしゃれなカフェではなく、人を迎え入れ育てる場所であるわけもそこにあるのかもしれません。
学校を卒業してまだ自分が何をしたいか、と考える前に病院に就職しました。
その時にやはり病院だから人が亡くなることもあって。仕事だからその後にすぐシーツをかけ替えて新しい患者さんが来るわけなのですが、私自身がそれについて行けませんでした。
次には、今、何かを思っている女性たちのために何か役に立てること、癒すことがしたいと思って、勉強してエステティシャンになりました。でも、働いてみて思ったことは、きれいになりたい、痩せたい、と思うことって終わりがない。自分はこれでいい、今の自分でいいのだって思えるまで人は常に追い求めるものだと気が付いたのです。
ちょうどその頃、自分も病気を患って、自分自身も何もできないのだと絶望してしまった。希望を探すこともできなくなって立ち止まってしまうなかで、八ヶ岳の自然がたくさんあるところにいる知り合いのところで体を休めていました。
そこで、たまたまお友達に一眼レフカメラを貸してもらって。山の中でカメラを練習して、それがすごく夢中になれる時間だったんです。夢中になれる時間を見つけて、山の中を歩いて体も心もどんどん健康になっていきました。
命を静かに長く伸ばすよりも、本当に自分の人生をしっかりと楽しみたい、と再確認して、写真の仕事をやろうと思って東京に戻ってきました。
カメラマンのアシスタントや出版社で写真の仕事をしながら、個人の活動としてたくさんの女の子の写真を撮って、「ヌード」という作品展示をずっとやっていました。
女の子ってたくさんいるけれど、本当にきれいなところ、キラキラしているところって、実は自分が隠しておきたい部分や自分では嫌だなと思っているところにたくさんあると思っています。「あなたの中のキラキラを撮らせてください。心を丸裸にしてみませんか?」という呼びかけに応えくれた女の子たちの写真を撮らせてもらっていたのです。
その活動をしている頃に最初の子どもを出産しました。その子は病気があって2歳3ヶ月で亡くなってしまうのですが、入退院を繰り返す中で、自分の限界がその時に見えて。自分は女の子たちを素敵に撮りたいと思っているけれど、写真も撮れない、プライベートもない、子どもの病気について調べる時間もない、ママ友もいないし、明日どうなるのだろう、っていう終わらない不安。
でも子どもは小さな病室のベッドの上で毎日成長するし、ニコニコするんですね。「あ、私が変わる時なんだな」って。今いるところを輝かせる場所にするという覚悟というか、「それが幸せなんだ」と。外に自分の居場所を探すのではなくて、自分のいる場所を自分で作るのだ、と思い始めたのは、その時からです。
子どもが亡くなってぽつんとしてしまっていたのですが、もしまた子どもを授かったら、私みたいに不安に思っている人がいた時に「大丈夫だよ」って言ってあげられる自分になりたいと思っていました。5年後にまた子どもを授かって、出産前の母親学級でできたお友達と、それぞれが出産した後に『こなめの会』を作りました。「こなめ」はその時のメンバー3人の名前の頭文字をとってつけました。