地域に出て自由になった

様々な人たちとつながり、活動をする中で、「地域に出ることは、仕事とのバランスを取ること、幸せを感じる人間になること、の大切な要素だと思う」とおっしゃいます。出会いも別れももちろんありますが、自分を知るための豊かな時間だと、おっしゃいます。

当時の会社での、直接の異動理由はわからないのですが、私の活動の影響もあるかもしれませんね。
女子栄養大や他の大学や地域などで講師やスピーカーをやる時は、その活動の内容を会社に提出しないとならない。それで私がやっていることを会社の方でも把握していたことがあるかもしれません。
いろんなことがゆるやかにいい方向に移行していけた感じはあります。7年かかりましたが。コツコツとやるしかできなくて。大きなことをするのはムリだし、ふわっとゆるやかに地域や人とつながって幸せに暮らしていきたいだけなんです。

私自身はすごく自信がなくて。会社の中では弱い存在だし、会社員のヒエラルキーの中で抑圧感も感じていました。言いたいことも言えない。環境のことを考えていても、楽しく飲み会している場で「環境破壊が・・」とかはやっぱり言えない。
でも地域に出てみたら、とても自由で。いやぁ!自由って素晴らしいなぁって。前はそうじゃなったんですよね。でも自由になったらこんなに自分の気持ちが解放されて毎日しあわせを感じている。みんなももっと解放されていったらいいな、と思うんです。私が見つけられたのだから、みんなにもきっとできるって。私のやりたいことは、自分の経験で人に自信や一歩を踏み出す勇気を持ってもらって、一人ひとりがそれぞれ輝ける存在だって気づいてもらうことだって、最近わかってきました。

同時に、自分が課題に思っていることを自由に言えるようにもなってきました。
例えば食品のこと、環境のこと。活動仲間を通して八丈島のチーズ職人さんと会えたのですが、そこの牛って笑っているんです。自然放牧されて長生きして。牛乳一つとっても今動物虐待やホルモン剤などいろいろな問題が言われているけれど、やっぱり、うれしい牛乳と悲しい牛乳があるんです。そういうことをやっと伝えていけるようになってきた。今では食についてもっと本当のことを知ってほしいとそれを伝えるドキュメンタリー映画の自主上映会イベントなども行っています。

大それたことではないけれど、やっていてよかった。何かやっているから他の団体にも自信を持ってふらふら遊びに行けるんです。ラジオ体操やっていて人とつながりたいから来ましたって(笑)。女子栄養大で教えています、と言えることも信頼を得るにはすごくメリットがあって、受け入れてもらうことがずっと簡単になる。
何かの力が働いているような、これやってみなさい、というような感覚が来たり、そんな状況になったときってうまくいくような気がします。感覚ですけど。なぜだかはわからない。それにもあらがう自信がないんですよ(笑)。

今でも人からそれダメと強く言われたら「そうかなー」ってクヨクヨ落ち込んだりします。それでもその時は必死に考えてとにかく前を向いて少しでも進む。気が付いたときにはその一歩一歩コツコツが形になっていくものなんだなと思っています。

 

自信がないんです、本当に何もできないんですよ、コツコツやるしか・・・と何度もおっしゃるルモアンさん。自信があるから数多く肩書が持てたり、スキルがあるから活動がうまくいったり、ということはイコールではない。もちろん、ルモアンさんが何もできないはずはないわけですが、それよりももっと大切な要素があるのだろうと感じます。それは人それぞれ、その人が本当に輝いて発揮されるものかもしれません。どうしよう、と思いながらもチャレンジして、ご自分も輝き、そして人も輝かせたいと思う。そのすばらしいサイクルがあれば、きっとみんなで幸せになれるに違いない、そう思います。

 


 

ルモアンさんに聞いた 10年後、20年後のセルフイメージ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インタビューに登場するルモアンさんの活動について
詳しくは以下からご覧いただけます。

株式会社 ルモアン東京
https://lemoing-tokyo.shop-pro.jp/

enchanté〜つながりのはじめまして〜
https://www.enchante-mitaka.tokyo

 

 

 

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