つながりが運ぶ展開

「無理やりやったんですよ、人間って本当は怠惰じゃないですか」と笑ってお話になりますが、巡り来たものに真摯にコツコツと取り組まれて、人とのつながりが活動を次の展開に運びます。

とっかかりを見つけたくて、三鷹ネットワーク大学でやっていた『まち活シンポジウム』に参加しました。三鷹に住むIT関連の経営者の方が主催で、農家や防災関連、地域活動の方などが講師で来ていました。そこで、よくある付箋ワークがあり、自分のやりたいことを書いたときに「ラジオ体操」って書いて。なにそれ? 自分のうちでやればいいじゃん、って言われました(笑)。

ラジオ体操と考えたのは、奨学生認定されたアイデアの中で一番簡単にできそうな企画だったこと、気軽に始められてどの世代でも誰でもできることだったからです。
それも、実は会社でレクリエーションをした時に、スポーツ(卓球)する前に準備運動しなさい、と指導されて、社長も新人もとみんなでラジオ体操を一緒にやっていたんです。そこから来ています。

場所は、目立つのと通いやすいからという理由でどうしても駅前でやりたくて。いろいろ調べてみて見つけた駅前のエリアは市の持ち物で利用料もかかるし、警察への届け出も必要でハードルが高かった。
困って三鷹の協働センターに相談に行ったのですが、団体でもなく2、3人で集まってやるなら問題ないからまずは始めたら?とアドバイスをもらえて始めたんです。最初は鳴かず飛ばずでしたが、だんだん人が集まって。そうしたら当たり前ですけれど、市の目にも留まって。申請して許可をもらって利用料も払って行うようになりました。
でもやっぱり、フルタイム勤務で忙しいし、行政手続きを踏むのが物理的に無理でもう続けられない。そんな時にメンバーの方が市に相談してくれて、市の担当の方が「みちパートナー」という道路の掃除をするグループとして申請を勧めてくれて。みなさんに相談してメンバー名簿ができて、それで市も認めてくれたんです。
それが今はラジオ体操と道の掃除、その後の朝カフェ、と展開していって、2019年2月に三鷹市役所で環境活動表彰を受けることになりました。

外国人向けのツアーは「tabi more = 旅をもっと」という意味で日本にいながらにして世界を楽しめるというコンセプトで『たびもあ』という名前にしました。これもやってみたいという方と一緒に外国人向けに始めたものですが、やっていくうちに形が変化していって。今は、外国人をお客さまとしておもてなしすることだけでなく、友達になることや知ることを楽しむというコンセプトに編集して、やりたい人がいたらやる、というスタンスで今も行っています。

一日シェフレストランの方は、最初は誰でもやりたい人がシェフになれるということにしていたのですが、料理となるとなかなかハードルが高い。準備やお金の管理も。なので、今は夫が料理をしてそこに料理やお手伝いしたいって人に入ってもらう形で、夫の自然派ワインと料理を楽しむイベントを行っています。
前は大人数でやっていたこともありましたが、夫の作りたい料理はみなでテーブルを囲める10名程度、お店ではなく家で友人と食事を楽しむような、人の環も広がる食の時間が大切って考えて、夫と私を入れても12人以内と決めて。そんなリラックスした場でできたつながりがまたつながっていって。2019年は興味を持ってくれた方やお店などとのコラボ開催もあり、ご自宅や横浜、そして三重などでも開催しました。基本、友人からお声がかかって予定が合えばどこでもやっています(笑)。

 

次のページ

 

1

2

3 4