「これからの時代は一人一人が会社」

開催5年目になる『カラスヤマ手作り市』は80店の出店を抱え、その出店希望が募集から2週間で集まるという人気のイベントに成長しました。堀毛さんはそのプロジェクトの代表をされています。人のキラキラしているところ探すのが大好き、とおっしゃる堀毛さんの「仕事観」とは?

『こなめの会』の時から、ママたちの得意な分野を持ち寄って活動をしてきました。お金の計算が得意な人、考えるのが得意な人、細か作業が得意な人、という具合に分散してやって、イベントや手作り市の出店で集合させる、という具合です。
今は『おへそカフェ』は私ひとりで経理も料理も全部やっていますが、次のステップに行ったら、また自分の得意なことを持ち寄ってやっていく形になるのだろうと思っています。

けれど、いつも何かを始める前には必ず孤独な時間があって。苦手なことも全部をいったん一通り自分でやって経験しないと誰かにお願いできないというか。次に誰かにつなげるときにその大変さがわかっていないと、やってもらえる有難さを本当に実感できないと思っているんです。まずはお願いする前に2年は苦手な経理も確定申告も自分でやってみて、手放せるのは自分が経験したその後だな、と思っています。
必ずしも『おへそカフェ』を保つことがゴールではなくて、自分の人生の通過点にこれがある、と思っています。じゃあ、ゴールはどこ?というとみんな幸せに向かっていると思っているんです。その幸せのゴールはまだわからないのですが、それを知るために今の状況があるので、終わりはなくずっと続いていくことなのだと思います。

私自身は、子どもの頃は得意なことも好きなこともなくておとなしい子どもでした。
でも、一つ自信があったのはみんなのキラキラしているところが「私には見えている!」ということ。そして、私は幸せになる、ということはずっとわかっていたように思います。
こなめの会に来る方は、こんなに子どももいるし、出産前もそんなに一生懸命働いていたわけじゃないから・・・とみんな言うのですけれど、あるんですよ。ちょっとお手紙を書いてくれた時にその字がカリグラフィーみたいで、「え?これ自分で書いたの?今度先生になって私たちに教えてよ」っていうと、そんなの特別なことじゃない、と思っているんですよね。それが自分の武器だとは思っていないのです。そしてじゃあ、先生やってみようかな?と思ってくれるとまたすごく勉強して、それぞれが成長していく。
そういうところを見つけるのが大好きです。女の子たちを撮っていた時と同じですね。

これからの時代は一人一人が会社なのじゃないかと思っています。
それぞれが自分の武器をもって、どんな人と繋がって何ができるか。寝ている時間以外は全部仕事なんじゃないかと思っています。
例えば、デザインをやりたいな、と思ったら、街で見るもの、チラシの一枚でも、何を見ても仕事だし、何を見ても勉強。アイデアもチャンスも学ぶこともいつでもどこにでも転がっている。だから朝起きてから寝るまで仕事も勉強もずっとあるのではないかと思っています。

大人が本気で遊んだら、仕事になるという風にも思っています。
お金は後からついてくる。まずお金があってやることを決めるのではなくて、自分がやるべきこと、役目に気が付いてそれをやったら、ちゃんとお金は入ってくると思っています。

 

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