「動機が浅いんですよ」とおっしゃる若島さんですが、「頑張ればできる」「このほうがかっこいい」というような、自分との闘いにかちながら自分の価値観への信頼を深めてこられた学生時代。なかなかできるものではない、相当な意志と努力があったのだろうな、と想像します。

公務員になろうと思ったときに、消防か地方自治体の職員か、の2択にしました。大学の4年間で体を鍛えるのが楽しくなっていて、消防士は常に体鍛えられるしレスキューとか、かっこいいなって。判断基準が結構「かっこいい」なんですけど。
それか、アメフトを社会人でも続けたいと思っていたので、そうなると土日お休みの仕事でと思うと市役所もありだなと。
市役所職員は「スポーツ振興」というのも仕事の一つにあるんですよ。僕はスポーツに触れて人格形成してきたと思っているので、スポーツに触れる人を少しでも増やしていけたらという思いもありました。アメフトを続けたい、というのとスポーツ振興をやりたい、という二つの視点でいいかな、と思っていました。

市役所の新人は10年三か所、というのが基本と言われているのですが、僕は結構異動しているんですよ。最初の配属先は道路交通課でした。家の建て替えの際に、法律で決められた道路幅に満たない部分を建替えに合せて広げるための諸々の手続きを進める仕事をしていました。
市役所に入ったばかりなのに、2013年に国体(スポーツ祭東京2013)があって、国体の部署に行きたいとずっと言っていたんです。今考えたら相当生意気ですが、ご縁がありまして、2012年から国体の部署に異動になりました。希望はかなわないって言われていたのですけど。それで、国体推進室に国体が終了するまでいました。
その後、市街地再開担当の部署に配属になって、今やっている「アキヤカフェ」や「リノベーションまちづくり部」の活動に繋がっていきます。

今はまた異動して別の部署にいますが、職場でも身近な方には話をしてあって、平日日中に「アキヤカフェ」のイベントをやる時は時間休を取らせてもらったりして参加しています。子育て中のママをターゲットにしたりすると、平日日中にやるときもあるので。
市役所なので、地域貢献に理解がある、ということもありますし、もともと入庁時から時間休制度があったり、自分の時間を取りやすい勤務体系ではあると思います。職場でもそういう風潮は浸透しているし、フレックスも試験的に始まっています。
今の部署は最高に雰囲気がいいですね。マネージャーになると本当に忙しいし大変だとは思うのですが、そういう姿は見せず、ごはんに誘ってくれたり、話をしてくれたり。アメフトも応援してくれて、試合のことを聞いてくれたり「頑張れ」と言ってくれたり、すごく応援してもらっている気がします。上司がみんな良い人で、その人たちを筆頭にすごく雰囲気がいいです。

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